雷鳴の夜

10型の強靭な肉体。

その肉体から、メキメキと音が聞こえる。

ヴィクターの打撃によって、骨が砕ける音。

あれ程の暴君振りを見せ付けていた10型が、ヴィクターのたった一撃で体をくの字にして前のめりに倒れようとしている。

その首を。

「!」

ヴィクターは片手で掴んだ。

そのまま軽々と持ち上げる。

完全に床から浮き上がる、10型の両足。

あの巨体なら優に120キロはある筈だろう。

それを片手で持ち上げつつ、ヴィクターの表情にはまだ余裕の色が見えた。