雷鳴の夜

まさに一瞬の出来事だった。

「え…!?」

まさしく瞬く間。

私が瞬きする程度の一瞬の間に、ヴィクターは動いていた。

機器の椅子から、10型の立っている部屋の入り口までの数メートルの距離。

その距離を一足飛びに、稲妻のような動きで詰める!

反応できなかったのは私だけじゃない。

10型でさえも身じろぎ一つ出来ないまま、ヴィクターの間合いへの侵入を許してしまう。

自然、隙だらけの懐に飛び込まれた10型は。

「っっっっっっ!!」

まるで建設重機に体当たりされるような衝撃の、ヴィクターの拳を腹に受ける結果となった。