雷鳴の夜

外見こそ変化があった訳ではない。

だけどその身にまとう雰囲気、気配。

それらが、これまでのヴィクターと違う事を伝えていた。

本能で動く10型には、私よりも更にはっきりと感じ取れていた筈だ。

事実、暴虐の限りを尽くしていた10型が、ここに来て足を止めた。

機器によって多量の電流を浴びたヴィクターを前にして、躊躇すら見せていた。

…落雷の電圧は、最大で10億ボルトにも達するという。

人造人間の動力の源であるという、雷。

それを補充したのであろうヴィクターが、どれ程の力を持っているのか…。