雷鳴の夜

「この地下病棟で人造人間の実験を行ってたんだ…あって当然だろ?」

椅子に座ったまま、ヴィクターはニヤリと笑った。

この機械は、『落雷の電流を流し込む機械』。

柊市のどこかにある避雷針とこの機械は繋がっており、避雷針に落ちた雷をこの機械でコントロールし、人造人間に流す事で、起動させていたのだ。

「俺…13型はその起動の為の電流が少々足りなくて、不完全な覚醒をしちまった訳だが…今日はおあつらえ向きに嵐の夜だ…いい雷鳴が轟いてやがる」

…この地下にも聞こえてくるほどの雷が、さっきから引っ切り無しに鳴っていた。

神の所業を真似るという行為にか、禁断の生命を生み出すという行為にか。

いずれにせよ、その冒涜を断罪するかのような、稲妻。

「……!」

部屋の扉がガタガタと揺れた。

10型が、強引に抉じ開けようとしている。

間に合うか…?

私は思わず両手を合わせ、祈りの形になる。

そして、遂に扉が10型の豪腕によって吹き飛ばされた瞬間…!