雷鳴の夜

言われるまま、よろめくヴィクターの体を支えながら廊下を走る。

10型は尚も追跡を続けていたが、ヴィクターの攻撃を何度か受けた彼もまた、無傷という訳ではなかったらしい。

幾らか堪えたのか、足取りが重くなっている。

それが功を奏し、私達は距離を引き離しながら廊下を走る。

…その先に、確かに部屋はあった。

暗闇の中、よく目を凝らさなければ見落としてしまいそうな部屋。

これまでの部屋と違い、プレートはない。

外からだと何の部屋なのかはわからなかった。