雷鳴の夜

やはり正面からまともにやり合っても勝てないのか。

ヴィクターは10型に背を向けて走り出す。

しかしダメージは深刻だ。

たった数発受けただけの先程の攻防。

それだけなのに、ヴィクターの足取りはおぼつかない。

足元がもつれ、今にも倒れそうだ。

「ヴィクター!」

私は思わず彼の腕を掴み、体を支える。

非力な私が、どれ程彼の支えになるというのか。

だけど支えずにはいられなかった。

ここまで共に生き延びてきたヴィクター。

彼が人造人間でも人間でも関係ない。

彼はこの地下病棟で、私を助けてくれた相棒なのだ。

「しっかりしてヴィクター!出るんでしょ!?」

枯れてきた喉を絞り上げるように、叫ぶ!

「生きてここから出るんでしょっ!?」