雷鳴の夜

10型の裏拳気味の拳が、ヴィクターの顔面にヒットする。

ヴィクターは拳を受けてのけ反り、更にその反動で後頭部をコンクリートの壁に強かに打ちつけられた。

「が…あ…」

倒れ行くヴィクターの瞳が見えた。

あの瞳は…意識が飛びかけている!

「ヴィクター!」

私は叫ぶ。

何とか彼の意識を『こちら側』に留めようと。

それが幸いしたのかどうかは定かではないが。

「……っ……!」

完全に倒れ伏す寸前に両手を突き、ヴィクターは素早く立ち上がって走り始めた!

「走れ…走れっ…!」