雷鳴の夜

「あのファイルに書いてあっただろう。13型…俺には欠陥があってな。起動する時の電力が足りなかったんだ…お陰で本来の出力に満たない、中途半端な状態で起動したもんだから、旧型の奴にさえパワー負けしちまうんだ」

そういえば、ヴィクターに初めて遭遇した時に『本調子じゃない』みたいな事を言ってたっけ…。

じゃあヴィクターでも、あの10型には敵わないという事になる。

まともに戦ってやっつけようなんて考えは捨てた方がよさそうだ。

「10型は、この地下病棟で創造された人造人間の中でも最強だ…暴走している分、歯止めが効かないからな…他に創造された全ての人造人間も、奴がぶっ壊しちまった」

地下病棟に残る血痕は、やっぱり人造人間同士の戦いによるものだったらしい。

でも…。

ヴィクターは人造人間の事を『死んだ』と言わず『ぶっ壊れた』と言った。

既に人間として認められていないのか…。

その事が悲しく思えた。