そんな時、難しい表情を浮かべた担任が、






「添島、足見せてみろ」







と、いきなりエースの添島君の左足を掴んだから、クラス全員の視線がそこに集中した。






………えっ…
もしかして、怪我してるの?







「これぐらい、大丈夫です。あと7分くらい、走れますから」







「だが今無理をすると、今度の新人戦に響く可能性だって……。
クソッ!こんな時に神木の奴が居ないなんて……」






かなり悔しそうに天を仰ぎ見る担任の様子に、さも可笑しそうに吹き出す添島君。







「何言ってるんですか?
ここにアイツが居たら、俺らここまで残ってませんよ」







その言葉に合わせるように、周りに居るほとんどの生徒が、大きく首を縦に振った。






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