しばらくして、3位決定戦が終わった。
勝ったチームをよく見てみると、神木の友達の三原君の姿がその中にあった。
『学校で呉林さんが話し掛けてくれないって怜二も寂しがってたよ?』
そう言って、前に、あたしをけしかけた人物。
あれは真っ赤な嘘だった事は明白で、あたしが恨みさえ抱いた男。
でも、そのおかげで神木に何とも思われてない事もわかった。
そうよ。
いくらあたしが好きでも、神木にはそんな気はさらさらないんだ。
好きな相手より、好かれてる相手の方が幸せになれるって言うし……
この際、向井君と付き合ってみるのもいいかもしれない。
優しいし、格好いいし、何よりあたしを大事にしてくれそうだし。
うん、決めた。
向井君が20ゴール決めたら、ちゃんと付き合おう。
決心した途端、少しだけ心が軽くなった気がした。
と同時に、付き合ううちに、神木を忘れる事も出来そうな気さえした。
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