俺が一人悶々と頭を抱えていると、男がさらにこの俺に衝撃を与える事を言い出した。
「俺が……
次の決勝戦で20ゴール決めたら、俺と……付き合ってくれないかな……?」
………えっ!?
「……えっ」
アイツの声と、俺の心の声が重なる。
「決勝、呉林さんのクラスとなんだ。
凄く強いチームなのはわかってる。だからってわけじゃないけど、願掛けっていうか、俺の精一杯の気持ちを見てもらいたいんだ。
……ダメ?」
一人で20ゴール……?
仮にも決勝だろ……?
何カッコつけた事言ってんだよ!このアホがっ!!
こんな馬鹿げた提案、笑ってやれ!
自分でもよくわからないうちに、力が入っていたらしい。
気づけば、手の中の名刺がくしゃりと小さくなっていた。
「………うん、わかった…」
………なんでだよ…
なんで承諾すんだよ…
アイツに、
呉林 乙葉に、
裏切られた気がした。
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