さっき居た場所まで辿り着いた神木は、まだ無言のまま背中を向けている。 「……ねぇ、怒ってる…?」 その重圧に耐えられず、先に声をかけたのはあたしだった。 「さっきの事、怒ってるんだよね……?」 ちょっと何か言ってよぉ…… 「……怒ってねぇけど、呆れてる…」 ため息を落としながらやっと振り向いた神木の顔からは、眼鏡が消えていて。 おかげでこんな状況にも関わらず、あたしの胸は久しぶりの怜二モードにキュンキュンしてしまう。 `