だからって女に興味を失くしたわけじゃねぇし。
ただ、たまには女っ気なしで生活してみるのもいいんじゃねぇのって思ったから、最近は誘いの電話が掛かってきても『忙しい』って理由で断っていた。
「別に呉林は関係ねぇよ。
俺は自分の意思でそうしてんだ」
「はいはい。じゃあそういう事にしといてやるよ。
その変わり……」
そこで一旦言葉を切った悠紀。
ドアノブに手をかけながら、俺に向かってビシッと人差し指を突き立てた。
「もし乙葉ちゃんが好きだと思ったら、さっさとコクれよ!
じゃなきゃ、俺がもらうからっ!」
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