「………何とんちんかんな事言ってんだ?」
「だから〜、お前は初めて女に執着心持ったんだろ?
それが“恋”なんだよ、怜二くん」
ニコニコしてる悠紀を、今度は俺が眉をひそめて見上げる。
「意味わかんねぇし」
「ったく、これだから恋愛初心者は……」
あからさまに大きなため息を漏らした悠紀は、再び俺の目の前に腰を下ろした。
「いいかい?怜二くん。
君は呉林 乙葉の秘密を、乙葉ちゃんを気に入ってる親友の俺にさえ言わなかった。
つまりそれぐらい乙葉ちゃんに惚れてるんだ。
その証拠に最近他の女に会ってないだろう?」
「はぁ?それは引っ越しの用意で忙しくて−−」
「チッチッチッ」
俺の言葉を遮るように、悠紀は人差し指を左右に揺らしてみせた。
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