おっせぇなぁ……
わざとなのか、俺を呼んだくせにメニューに悩む2人連れの女にイライラが募る。
「どぉするぅ?」
「あたしはやっぱりコレにしよっかなぁ」
何でもいいから早く頼めよ!
さっきの女をもう一度見たくて、愛想笑いも忘れてただひたすら待つ店員の俺。
やっと決めた女達が、メニューを指差しながらオーダーしてる間も、いちいち人の反応をみるように上目使いで見上げるのがシャクに障る。
見んな、ブス!
そんな心の中とは裏腹に、ちゃんとオーダーを復唱して確認した俺は、最後ににこやかに微笑んで厨房に向かうフリしてもう一度振り返った。
…………あっ…目、合った。
ってか、やっぱ呉林…だよな?
目が合うなり、店中に響き渡る声を上げて立ち上がった女。
その見開らかれた目に、確実に見覚えがあった。
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