「じゃあね、怜っ!」 「ああ……」 そのカップルは、出てきたその場で手を振って別れている。 なんか、不思議な人達…… 周りは手を繋いだり、肩を抱いたまま歩いて帰って行くのに… なんて自分の置かれてる状況も忘れて、しばし首をかしげて眺めていると、いきなり横からグイッと腕を引かれて、あたしはよろめいた。 「……きゃっ!」 「早く行かなきゃ、泊り扱いになるじゃんっ」 ………? この男は、一体何を焦ってるんだろう? `