「ええ。楽しんでます」

彼女からの返事が来た。
そりゃそ~だろ。 あれだけのアトラクション独り占めにして乗ってれば。

「君、名前は? 俺見て驚かないって言うとグロリアのファンじゃないでしょ?」

取りあえず、名前聞き出そうかな。
あとは適当に追い詰めとけば 俺の事忘れないかな。

「・・・さやか。友達に連れて来て貰ったからファンっていうわけではないです」

この警戒心 楽しいなぁ。
逃げれないって確信してるとこもおもしろい。

「友達って 凛だろ?」

俺は意地悪く聞いてみた。
さやかは凛の事を大切に思っているのか 焦ってる。

「はい・・・。すみません。関係ない人間が入ってて」

焦りながらも ちゃんと判っているみたいだ。
こ~ゆ~反応する奴おもしろいな。
無理やり自分に興味持たせたくなる。

「いいんじゃない? 中身はどうあれ、来てくれた子みんなが楽しんでくれれば」

俺は思った事をさらっと言う。

「アハハ・・・。 そうですよね。 取りあえず 楽しんでくるので」

逃げ出そうとするさやかを獲物を捕らえるように見つめる。
後ずさりしていながら 鞄から携帯を出す素振りをしたので さやかの手から携帯を奪った。
さやかの携帯を操作して 赤外線で自分の携帯にさやかの番号とメアドを送る。
手から無くなった携帯をキョロキョロと探すさやか。

「これでよしっ」

俺は携帯をさやかの手に戻した。
そして、

「そろそろ、ライブの準備しなきゃいけないから行くけど。
 メールするから返事返してね。
 ・・・返事返さなかったら これから先平和な毎日が過ごせなくなるし、凛の事も色々するから」

こ~ゆ~タイプは追い詰めとくだけ追い詰めとかないと 毎日の平和さに甘えるタイプだ。
少しでも恐怖を持たせとか無いと俺の事忘れそうだし。
そんな事を思いながら さやかに向かって微笑みをかけた。