ギブス

『……っ』
【…やっぱり…

…あたしのコトなんて…

…好きじゃなかったんだ…


だから…

抱いてはくれなぃの…っ】


柚葉は、諒の腕から逃れ…

涙を拭い…、諒に精一杯、笑いかけた…


「…柚…っ」

『…も、いぃです…っ』


…と、消え失せそぅな声で…言った柚葉の言葉に…

動揺を隠しきれない諒…


「…柚葉…っ、話を聞いて…」


『…先生には、…あたしなんかより…もっと、大人の女の人の方がいぃ…
携帯の…着信に表示された人の名前に嫉妬しちゃうくらぃの…
子どもじゃなくて…っ』


精一杯…、笑って見せよぅとした柚葉の言葉に…

深いため息をついた諒…


「本気で…、言ってる…っ」


聞き返した諒の言葉に、頷き返した柚葉…


「…そぅか…、そぅだね…
その方がいぃのかもしれなぃ…」


『……っ』


諒の、その言葉が…胸に突き刺さる…