ギブス

「…柚葉…っ」


泣き出した柚葉の頬に、諒は触れ…その涙を拭い…


「…ごめんね…
柚葉が、あんまり可愛いから…つい、イジメたくなるんだ…
今日は、ここまでにしよぅ…」


そぅ、微かに困ったよぅに…笑い掛けた諒…


『……っ』
【…どぅして…っ

どぅして…


先生は…、最後の最後のトコまで来て…

ソレ以上のコトは…

しよぅとはしなぃ…



やっぱり…、あたしのコトなんか…っ】


鼻先をすすりながら…、諒の身体に抱きついた柚葉…


「…柚葉…っ」


その、しがみついた柚葉の頭を諒は、優しく撫でつけ…


『…先生…、…あたしのコト…好きですか…っ』


諒の胸元に、顔をうずめながら聞いた…


「……っ」


その、柚葉の問いかけに、言葉を失った諒…


言葉を発しなぃ…諒の方を見上げた柚葉…


『…先生…っ
どぅして…、抱いてくれなぃんですか…っ
どぅして…、一度も…“好き”だって…言ってくれなぃんですか…』


「……っ」


『…どぅして…っ』
【…何も…、言ってくれなぃ…

やっぱり…、あたしのコトなんか…っ


…好きじゃなぃの…っ】


「………」


ソレでも…、無言に近い諒は、柚葉から視線を反らした…