ギブス

小さな悲鳴に近い声を上げた柚葉から身体を離した諒…

柚葉を、側にあった椅子に座らせながら…


「勉強…、頑張ってるみたぃだから…休憩にしよぅか…っ」

…その、テーブルには、アイスティーの入った2つのグラスと…フルーツがたっぷり盛られたフルーツタルト


『…ケーキ…』


先程までの、泣き出しそぅな表情とは一変して…

一瞬にして、笑顔を見せた柚葉…


そんな、柚葉に…笑いをこらえきれずに吹き出した諒…

諒の反応に、思わず首を傾げた柚葉…


「いゃ、予想はしてたけど…
余りにも、予想通りの反応で…」


『…はぁ…っ』
【…先生って…

普段、笑わない分…、

笑い出すと…止まらないんだょね…っ】



柚葉の、向かいの椅子に腰を降ろした諒は…

フォークで、フルーツタルトを一口サイズに切り裂いて…


「…はぃ…」


…と、そのタルトを柚葉の口元に運び、差し出した…

一瞬にして…、耳元まで紅潮した柚葉…


『…っは、恥ずかしいです…』


…と、何とか聞き取れるか…と、言う位の小さな声で言った柚葉に…


「大丈夫だょ…、2人しかいなぃんだから…
…ね…」


その、諒の言葉に、仕方なく身を乗り出した柚葉…

差し出されたタルトを口に含んだ…