ギブス

『…そぅ…なんですか…っ』
【そっか…

…そぅなんだ…


何か…、ワケがあるのかな…っ

…知りたい…けど…

聞いちゃ…、ダメだよね…っ】


「うん、そぅ…って、言うんだ」


その、諒の言葉を…半分も聞いていなかった柚葉は、再び…諒に視線を戻し…


『…っは…』


微かに、首を傾げながら…聞き返した…


「うん、だから…
‐ニノミヤ ソウ‐って、言うんだよね…」


『…“そう”…って…
“かな”って、言うんじゃ…っ』


「うん、そぅも読めるね…
でも、弟だからさ…
柚葉は、携帯に表示されてあった名前を見て…相手が女だとでも思ったの…っ」


…と、微かに妖し気に、笑いかけた諒の表情に…

柚葉は、何も言い返せない…


『………』
【…だって…

“奏”って…女の人だって思うよ…っ】


何も、言えず…肩をすぼめる柚葉を見て、諒は吹き出した…

ソレを目の当たりにした柚葉は…


『…だって…』
【先生にはきっと…

あたしなんかより…美人で大人で、綺麗な人が…


大学の時も…、きっと…

周りの女の人が放っておかなかったんだろうな…っ】


諒は、その柚葉の前に、先程の携帯を差し出し…


「そんなに…、心配だって、言うのなら…、
…見てみる…っ」


その、差し出された携帯に…柚葉は…


『…っえ…』
【…観たい…っ


でも…、】