ギブス

裕隆の言い分に…、思わず…ため息をついた諒…


「妹は…、ある種のトラウマがあって…
そのコトに、関する記憶が…なぃんです…
だから…」


その、裕隆の言葉に…微かな反応を示した諒…


「…“記憶が…なぃ”…っ」


聞き返した諒に、裕隆は頷き返し…


「6年前に…、妹は…高校生の女の子が殺された事件の…第一発見者で…
一時的なショックで…無意識のウチにその時の記憶を封じ込めちゃったみたぃで…
だから…」

「…その記憶を…思い出させたくなぃ…と…、言うコト…っ」


裕隆は、その諒の言葉に頷き返しながら…


「…はぃ…、傷つけたくなぃんです…
だから…」


裕隆の、その言葉に…

諒は、微かに吹き出しかけた…


「…随分…と、妹思いなんだな…
…分かったよ…」
〔…後悔…させてやるよ…

その、言葉に…


柚葉は、2度と…

君の元には、還れなぃ…っ〕