ギブス

柚葉の脳裏に…蘇る記憶…


幼い頃…、神社の境内の軒下で目の当たりにした光景…

金色の月が空に浮かぶ中…

深紅の血を袖口で、拭い取っていた…少年…



恐怖心など…、欠片もなく…

ただ…、“綺麗な人…”と、思った…




『………』
【…あの時に会っていた人に…会えた…


ソレだけで、十分なはずなのに…


あたしは、もっと…

あの人の側にいたい…

あの腕に…抱かれて…

口付けを……


どぅして…、こんな風になってしまったの…っ?



あたしのカラダも…、心も…

狂ってる…】



「…柚葉…っ」


その、紗理奈の声に、我に帰る…


『…っえ…』