ギブス

奏は、柚葉の隣に来て…

バツが悪そうに…前髪を掻き上げた…


その、仕草は…誰かを思い出させる…


「あのさ、紗理奈ちゃんも…悪気はなぃと思うんだ…
ただ…」

『分かってます…。』


奏の言葉を遮り…、奏に笑顔を向けながら柚葉は言った…


『紗理奈は、あたしのコト…心配してくれて…』
【あの時、先生がいなくなって…

ショックを受けたあたしを気遣って、毎日…会いに来てくれた…電話やメールも…】


柚葉は、奏の方に視線を向け…、微笑んで見せながら…


『奏さんも…、ありがとぅ…
大丈夫ですから…
そんなに、あたしのコト…気にしないでくださいっ』


「…柚葉ちゃん…」


『奏さん、ホントに…先生が何処にいるか…連絡ぐらぃ…、なぃんですか』


今にも、泣き出しそぅな…震える声で問いただした…

奏は、わざと…柚葉から視線を反らしながら…


「…ごめん。ウチの両親や…、親戚や…一族連中にも聞いてみたけど…何も…っ
ウチの母親も、“その内、帰ってくるでしょ”…なんて、呑気なコト、言って…
探しては…いるんだけど…っ」


奏のその言葉に、悲し気に…ムリに微笑んで見せた柚葉…


『…そぅ…ですか…っ』