「…柚葉…っ」


…と、そぅ…背中側から聞こえた…聞き覚えのある声…


『……っ』


柚葉は、その声が聞こえた方を…、ゆっくり…と、振り返った…


『……』


「何を見てるんだ…っ
人の部屋に、勝手に入るな…と…
いつも…、言ってるだろ…っ」


そぅ、すぐ様、部屋に入り…開いたままになっているノートパソコンを無理矢理、閉じた人物…

その、人物が動揺しているのは…珍しい程だ…


柚葉は、いつもなら…恐怖感で震えてしまう程だった…が、何故か冷ややかな程、冷静だった…


その、人物の方を見上げながら…


『いつも…、見張ってたんですか…っ
あたしが…、あの時の犯人を…誰かに言うんじゃなぃか…って…っ
この前の…、学校でも…あたしが…、お兄ちゃんに襲われた時も…何処かで…っ』


「……っ」


柚葉の、その言葉に…一瞬にして…表情が歪んだ…


『…言えるはずがなぃのに…
記憶を消されて…っ
言えるはずがなぃのに…っ
いつも…、見張っていただなんて…っ』


「…柚葉…っ」