【春の…、入学式を終えて間もなく…

初めの…、世界史の授業で…

あたしは、彼に逢った…



‐人の、姿形をした…“悪魔”に…‐】


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『…ッヤ…、止めて…っ』


胸元や…、首筋に…

幾つも…着けられていく…、刻印…



柚葉が…、諒の両腕を…いくら、押しのけよぅ…と、しても叶わない…


「……っ」


諒は、泣きながら…荒い息遣いを掻いている柚葉の頬を…両手で包み込んだ…

その、包み込まれた…両手の温もりに、柚葉の身体が瞬時に反応した…


諒と、視線がぶつからないよぅ…顔を背けながら…

嗚咽混じりに…声を上げないよぅ…、泣いていた…


「…柚葉…っ」


その…、諒の…今までとは違い…

柔らかく…、暖かい声…


柚葉は、キツく…閉じていた両の瞼をゆっくりと開けた…


その、瞳に…映る…


柔らかな…、微笑み…


『…先生…っ』


そ…っと、柚葉の頬を包み込んでいた両方の手を離した諒…


呼吸を…整えながら…、身体を起こし…、露わになった胸元を隠した柚葉…


『どぅ…して、こんなコト…っ』


…と、言ったつもりだったが…

上手く言葉になっていたかどぅかも…分からない…