ギブス

「……っ」


自分の側で…、規則正しい寝息を立てている少女…

その、少女の額にかかっている髪に触れる…


「…柚葉…っ」


そぅ…、消え失せそぅな声で…

その名を呼んだ…


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カーテンの隙間から…

漏れる…陽の光…で、ゆっくり…と、瞼を開けた…


『…っん…』


おもむろに…、カラダの向きを換えた…

すぐ、側で…人の温もりを感じられる…と、思った…


…が、


『……っ』


ナニもなかった…



まるで…、最初から…自分だけしかいなかったかのよぅに…

跡形もなく…、消え去ってしまったかのよぅに…



『……っ』


シーツに、指先を這わせた柚葉…

少しでも…、温もりを感じられれば…と、思ったが…


その、微かな温もりさぇ…感じられなかった…