ギブス

「…兄貴…」


「あの子には…、俺ではなく…他に、共に生きていける男の方がいぃ…」


その、諒の言葉に…奏の瞳が微かに揺らめいた…

諒は、その瞳を…奏に向けながら…


「…が、俺が…我慢出来そぅになぃ…」


…と、奏に笑い掛けた諒…

その、言葉に…奏は、半ば呆れながら…


「…余裕だね…っ」


…と、呆れながら言った奏に…


「…共に…生きてくれる…と、言ってくれた…
自分の、私利私欲より…
柚葉の気持ちを最優先したぃだけだ…」


「……っ」


…が、その言葉は…

自分自身にも…云った言葉だった…


これから先…、柚葉の血を貰わずに…、柚葉の側に居続けて生きていける…

そんな自信…、ドコにもなかった…



…が、そんなモノより…

一途に…“好き”…だと、言ってくれている柚葉の気持ちに応えたかった…