ギブス

その、指先から…視線を上げた柚葉…


『…っあ…っ』
【…ヤバい…っ

授業中だった…


先生、授業だと厳しいから…っ】


…と、また…注意されると思った柚葉…


「神城、 125ページから…読んで…」


…と、相変わらず…冷ややかな諒の言葉だった…

…が、柚葉は…また注意される…と、思っていたから、内心、ホッとした…


『…はぃ…』


…と、柚葉が、席を立った瞬間…

すーっと、血の気が引いていくよぅな感覚がした…


そのまま…その場に座り込んでいた…


『…っあ…っ』


「神城、顔色悪い…っ」


その、柚葉の視線に合わせ…床に片膝をつき、その顔を覗き込んでいる…人物…


『…先生…っ』


諒は、顔色の悪い柚葉の身体を抱きかかえ、腰を上げた諒…


「授業は、自習…っ」


その、諒の言葉に、一斉に歓声が上がる生徒たち…


…が…


「自習分のノートを、授業終了時に、提出して貰うから…」


その言葉に、歓声も収まり、静まり返った教室…