ギブス

その、視界の中に…

いた人…


胸の鼓動が…瞬時に反応を示した…


『…っあ…っ』
【…見られた…っ】


…と、そぅ思った瞬間…

柚葉は、両目の瞼をキツく閉じた…


‐お願いだから…、何も言わないで…‐…と…願った…


その、柚葉の微かな異変に気がついた奏は、その柚葉の目の前の…自分のすぐ後ろを振り返る…


「…諒…、」


その、奏の口から漏れた名に…、柚葉のカラダは尚も強張る…


「奏…、学校では…、呼び捨てにするなよ…」


そぅ…、何の感情も込められていなぃよぅな声…


…が、その声だけで…、柚葉の心が揺れ動く…

モノクロだった世界が…、一瞬にして…色をつけ、動き出したかのよぅに…



その、諒の声だけで…‐好き‐…なのだと…、その心が云っているかのよぅに…

…気づかされる…



『………』


瞼を開けた柚葉…

…が、その瞳は、諒の姿を映さないよぅに…視線を反らしたままだった…