幼い頃…、

お兄ちゃんばかりを誉める…母親と喧嘩をし…


家出した…



まだ、小学4年になったばかりの…5月の夕方…

遠くで…、17時を告げるチャイムが鳴り響いてから…随分経つ…陽も沈んでいた…



『………』


あたしは…、よく家族で、夏祭りで行ったコトがある神社の境内の…軒下に座り込み、身を隠していた…


その時、お腹の音が容赦なく鳴り響いた…


『お腹…、すいたょ…』


…と、小さく呟き…

軒下に、もたれ掛かる…


『…バカ…っ』
【…お母さんなんか…

…大嫌い…っ


お兄ちゃんばかり…誉めてばかりいるをだもん…っ】


…と、何とかお腹の空腹を…怒りにすり替えながら…

瞼を閉じた…