修学旅行が終わって、私はめっちゃ勉強した。ちゃんと受験勉強しないと、高校落ちるかもしれない…そう思ったら勉強せずにはいられなかった。
 だからテスト勉強だって頑張ったつもり。なのに…なのに…
「今回のテスト、1位は相良だって。」
 クラスの誰かが言った。テストの結果は上位10名が廊下に貼りだされる。
 そんなまさか!念のため確認しに行く。
 こう言っちゃあなんだが、私は入学以来不動の1位を獲得していた。まさかこんなところで、あんな奴に負けるとは…。
 確かに1位は紘貴だ。私は無念の2位…。
「ラッキー!瑞穂に勝っちゃった。」
 隣に紘貴がいた。
「てっ…てめぇ!なぁにが、ついていけないよ、だ。ほとんど満点じゃないか!」
 以前、前の学校より授業が進んでいるからついていけない、とハッキリ言ってた。
「瑞穂のノートのおかげだよ。」
「はぁぁ?ホントは出来るくせに黙ってたんだろ。ヤな奴だな。」
「瑞穂だってホントは三つ子だったくせに黙ってただろ。」
「それは関係ねぇだろ!」
 あーいえばこーいう!ヤな奴!
「瑞穂、もうやめなよ。」
 いつからいたのか、明日香が仲裁に入る。
「こいつ、人をバカにしてんだよ。」
「そんな事ないじゃん。」
 明日香はきっと呆れてるだろう。
「まさかてめぇ、T高受けないよな?」
 高校まで一緒になりたくない。
「一応、第一志望はT高だよ。」
「ムカつくーっ!!」
 こいつならすんなり受かりそうで更にムカつく!私の努力や苦労を簡単に飛び越えるんだ、きっと。そんな奴だ、きっと。
「もういいっ!」
 もういーよ、ホント。私は私の道を歩ませてもらう!