トリプレ

「信じらんない!1300円しか貰ってないのに更に減らすって。服買えないじゃーん。」
 琉璃は文句ブーブー。
 2階の部屋に引きこもっているから、お父さんには聞こえないハズだ。
「服買い過ぎじゃない?」
 私は布団にうつ伏せになったまま呟いた。
「さっきだって私ばっかり答えててさ。私だけ怒られたみたいじゃん。琉璃があと1時間延長しようって言ったくせに。」
「長女なんだから仕方ないじゃん。」
 琉璃は携帯をいじりながら、冷たく答えた。
「三つ子に長女も三女も関係ないじゃん!」
「やめろよ、もう。」
 不機嫌そうに瑞穂が私を制した。
「3ヶ月我慢すりゃいいんだろ。門限守らなかった私らも悪いって。もう寝よ。お前らの喧嘩聞きたくもない。」
 瑞穂は強制的に部屋の明かりを消し、布団に潜り込んだ。私も大人しく布団に入る。琉璃の携帯の明かりがやけに眩しく感じた。
「琉璃、早く寝ろよ。」
 瑞穂がけだるそうに言った。