気まずい空気の中でお父さんが溜息をつき、
「3ヶ月お小遣い減額だからな。」
と言った。
『えぇっ!』
 これには見事に3姉妹の声が重なった。
「不祥事起こしたら減給は当たり前の世の中だ。文句は受け付けないぞ。返事は?」
 なんて親父だ!私ら会社員じゃないんだぞ!ピッチピチの中学3年生です!
「…はい。」
「はい。」
「はい。」
 それでも素直に返事をするしかないのだ。お父さんが本気で怒ったら、もっともっと怖いのを知っているから。
「じゃあ、お風呂入って寝なさい。」
 ずっと黙っていたお母さんが優しく言った。だけど、お父さんに門限守らなかった事をチクッたのはお母さんだ。私達が帰ってきた時は、まだお父さんは帰ってきていなかったもん。その優しさにも、今は甘えたくない。