紘貴の部屋は2階の突き当たりだった。叔母さんがドア越しに声を掛けるが反応はなかった。
「あとは大丈夫です。下で待ってて下さい。」
叔母さんには1階で待ってもらった。その方がお互い気を遣わなくて済む。
私はゆっくりドアを開けた。外は明るいのに、この部屋は薄暗かった。カーテンが閉められている。1歩、部屋に足を踏み入れた。すぐに何かを踏んだ。床には本やらプリントやら服やらが散乱していた。普段の紘貴なら、こんな部屋にはしないハズだ。これは故意に散らかしたんだろう。
紘貴は部屋の奥のベッドの上にいた。無気力に座っている。
暗くて顔がよく見えない。少しずつ、進んでいった。
「何しに来た?」
かすれた声。これが紘貴なのか?
「紘貴の顔を見にきたよ。」
更に進む。
「来るな。」
紘貴の鋭い目が見えた。こんな顔の紘貴は見た事がない。
「お前らが来たって何も変わらない。由衣が生き返るわけじゃない。」
こんな冷たい紘貴も初めてだ。
「ずっと考えてたよ。俺の人生…由衣がいるからあったんだ。由衣がいないのに生きてたって意味ないよね。」
無表情の紘貴。ずっとそんな事を考えていたのか。
私は紘貴が好きなのに…。それだけで意味があると思ってほしいのに。
「相良君がいたから由衣ちゃんだってここまで頑張ってこれたんだよ。」
震える声で明日香が言った。
「あとは大丈夫です。下で待ってて下さい。」
叔母さんには1階で待ってもらった。その方がお互い気を遣わなくて済む。
私はゆっくりドアを開けた。外は明るいのに、この部屋は薄暗かった。カーテンが閉められている。1歩、部屋に足を踏み入れた。すぐに何かを踏んだ。床には本やらプリントやら服やらが散乱していた。普段の紘貴なら、こんな部屋にはしないハズだ。これは故意に散らかしたんだろう。
紘貴は部屋の奥のベッドの上にいた。無気力に座っている。
暗くて顔がよく見えない。少しずつ、進んでいった。
「何しに来た?」
かすれた声。これが紘貴なのか?
「紘貴の顔を見にきたよ。」
更に進む。
「来るな。」
紘貴の鋭い目が見えた。こんな顔の紘貴は見た事がない。
「お前らが来たって何も変わらない。由衣が生き返るわけじゃない。」
こんな冷たい紘貴も初めてだ。
「ずっと考えてたよ。俺の人生…由衣がいるからあったんだ。由衣がいないのに生きてたって意味ないよね。」
無表情の紘貴。ずっとそんな事を考えていたのか。
私は紘貴が好きなのに…。それだけで意味があると思ってほしいのに。
「相良君がいたから由衣ちゃんだってここまで頑張ってこれたんだよ。」
震える声で明日香が言った。
