由衣ちゃんが亡くなった。
 学祭から1ヶ月が過ぎた頃だった。
 私達は両親とともに、お通夜に参列した。
 相良君は放心しているようだった。目は赤く虚ろで、誰の声も聞こえていないようだった。
 大切なたった一人の家族を失った相良君。
 もう彼を見るのは辛かった。