「ただいま〜ぁ」

あれからすぐに私たちは店を出た。アイスカフェオレは本城君がおごってくれた。
ラッキー!な〜んてちょっと思ったりして……。

「遅せーよ。部活までサボりやがって、今まで何してたんだよ。陸上部に戻れって言ったのはお前だろ!」

その美由紀の一言でウキウキ気分から、一気にテンションもダウン。

「そんなに怒らないでよ」

確かにそう言ったけどさ。

「お前、学と一緒だったろ。あいつも俺に変なこと言いやがるから……」

変なこと?
もしかして……ヤキモチ?

「あのさ、麻理さんのこと。聞いたよ」

なんか、イヤだな。
この空気。

「余計なこと言いやがって……」

過去に何があったか分からないけど、私には教えてほしい。

恋愛を『ゲーム』と言い切る理由を──。

「最初は私も美由紀との恋愛は遊びだって思っていた──ううん、そう割り切ろうとしてた。自分が傷つきたくなかったから」

「……渉」

「時々怖くなるの。このままこんな恋愛を続けていていいのかって」

気がつくと美由紀のことを目で追いかけている自分が居た。

「俺にとっての恋愛は『ゲーム』。それは相手がお前でも変わらない」

「じゃあ!教えて!!どうしてそこまでして『ゲーム』と言う信念を曲げないのか」

プライド?
本当にそれだけなの?

「そんなこと、お前には関係ないだろ」

「関係あるもん!好きなの!美由紀のことが好きなの!だから知りたい」

このもやもやしていた気持ち、やっと何なのかが分かった──。

美由紀のことが好き。


好きなんだ。