僕の姫~ちっぽけな勇気~

「どうしたの?」


「駿ちゃん、今からバイトだってさ…。」


兄貴…今日バイトだったんだ…。


そういえばそんなことも言ってたかも…。


シュン…とする知世ちゃんを見ていると思った。


僕の負けかな。


「はい、これ。もう宿題やってるから写していいよ?」


僕は宿題を知世ちゃんに渡す。


「光輝…ありがと!」


この笑顔を見るためになんやかんや言って宿題を見せているのかもしれない。


本当は自力でやってほしいけど、僕に勉強を教えるなんて神業は出来ないし…これが僕の精一杯。