僕の姫~ちっぽけな勇気~

「僕、先に行くよ?手伝わないと母さんうるさいし。」


「うん、すぐ行く!」


僕は先に下へ降りた。


知世ちゃんはひとりっこでおじさんとおばさんが共働きだから、毎日晩御飯はお隣の僕の家。


中学入ってからだから、5年くらいこんな感じなんだよね。


「光輝、これ運んで!…あれ?知世ちゃんは?」


僕はおかずを運びながら答える。


「宿題。あと1問だって。」


「毎日宿題大変ねぇ…」


うん、僕がね。


知世ちゃん写してるだけだし。


面倒くさいから言わないけど。


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