恐怖 DUSTER

麻美の手はとても暖かく感じた。


あの暗闇の中では全く触れることができなかったぬくもり・・・


弥生はその手のぬくもりを、とても懐かしく感じている。



麻美の、涙で濡れた目はとても優しく弥生を見つめていた。



「私の・・・手・・・?」



「そう、あなたの手」



「あの時ね、弥生も私と同じバスに乗っていたのよ。



「そして事故に巻き込まれてしまったの」



弥生は、自分の記憶の深い底を探るように思い出そうとした。



「わ、私・・・あの時・・・あのバスで・・・」



「そう、7年前のあのバスの事故の時よ・・・」



「バ、バス・・・私、あの時一人でバスに乗っていた・・・」



「私、毎年夏休みは・・・お婆ちゃんの家に預けられていたから・・・」



弥生の記憶が走馬灯のように脳裏に映し出されていく。



「夜にバスに乗って、そのまま寝てしまって・・・」



「目が覚めたら・・・バスがへんな形になっていた・・・」



「バスはその時、横転していたのよ。弥生は、事故と共に目覚めたのね・・・」




弥生を優しく見つめていた麻美の瞳が力強く輝いた。