恐怖 DUSTER

「でもさ、私たちと違って裕子は自分の意思で、あの暗闇の場所に留まっているんだよね?そんな裕子を入れ替える事なんてできるの・・・?」

「できるわよ・・・もう既に裕子の心は目覚め始めているはずだから」

「目覚め始めているの?」

「そう、恵子のおかげでね」

「恵子の?」

千恵と里美は、思わず振り返り後方にいる恵子に視線を向けた。

そんな二人の視線に気づいた恵子が笑顔で手を振る。

千恵と里美は、恵子の笑顔につられて手を振り替えした。


「恵子はね、自分でも気づいていないけど封印されている他人の心を開放することができるのよ。その力によって、私たちを入れ替わらせることができたんだから、裕子も絶対に入れ替わらせることができるわ」


「えっ!」

麻美の言葉に驚いた千恵と里美は、お互いの顔を見合わせた。


「でも・・・どうやって?」


「千恵と里美も覚えていない?自分が入れ替わる前に恵子にされた事を・・・」

千恵と里美は、前の自分の記憶を呼び起こし記憶をたどっていったが、思いだすことができなかった。

麻美は、そんな二人を楽しそうに見つめていた。


「どう思いだせた?」


「う~ん・・・ダメ!思いだせない?・・・里美は?」


「ちょっと待って。もう少しで思いだせそうなの・・・」


「・・・あっ!」


答えにたどり着いた里美は麻美に視線を向けて自信なさげに静かに言った。


「・・・目隠し・・・じゃない・・・?」


「へっ・・・目隠し?」


里美のだした答えがいまひとつ、千恵は理解できずにいる。


麻美は里美を見つめながら、笑顔の表情で言う。


「さすが里美、正解よ!」


「・・・やっぱり」


「えっ?・・・なに?えっ?・・・なんなの?」


自分の存在を忘れたかのように会話する二人を見て、千恵は取り残されたような気持ちになった。