恐怖 DUSTER

突然、裕子の携帯が鳴った。


携帯にでた裕子は、少し皆から離れて携帯の相手に応対する。


携帯で話す裕子の表情はとても嬉しそうであった。


そんな裕子を、その場にいる三人は無言で見つめていた。




「ごめん。私、用事ができちゃったから、先に帰るね♪」


裕子は明るい口調で言った。


「なんで?今日は麻美の家で弥生の誕生日を祝う約束でしょう?」


千恵の言葉に裕子は弁解するように答えた。



「ごめん、本当にごめんね。今日、突然お父さんが家に帰って来る事になって・・・」



「えっ!」裕子の言葉に三人は驚いた。



「裕子のお父さんて・・・たしか外国に行っていたんだよね?」



「うん、そうなの♪外国で現地の人たちに指導とかしていて、何年かぶりに帰ってくる事になったてお母さんが嬉しそうに言ってたの♪」



「へぇ~外国で指導をね。・・・良かったね裕子」

麻美の言葉に裕子は笑顔を向ける。




「・・・ところで裕子のお父さんは外国で何を指導していたの?」


千恵の質問に、裕子は少し戸惑いながら答える。



「お父さん技術者だったから、それの指導だとお母さんが言っていたけど・・・実は、私もお父さんの仕事てよく解らないんだ?」


「まぁ、父親がどんな仕事しているかなんて詳しくは、私達だって解らないからね」


裕子を弁護するように麻美が言うと千恵も納得したようだ。



「じゃ、私行くね!」裕子がそう言って走り出そうとすると、里美が裕子を引きとめた。


「裕子!私の自転車使っていいよ。明日学校で返してくれればいいから」


「本当!里美ありがとう♪」


裕子は里美から自転車を借りると、少し離れた後ろにいる弥生と恵子に声をかけた。


「弥生!恵子!ごめん、私先に帰るね。お父さんが帰ってきたと連絡あったから!」



「うん。解った!」弥生がそう答える横で、恵子が大きく手を振っていた。