恐怖 DUSTER

冷静に言う里美の言葉に、裕子は千恵の予想もしない反応を返した。


「そうなのよ!弥生は本当に大変だったんだから、私も麻美も恵子も弥生はあのまま得体の知れない女に摂りつかれたままになるんじゃないかと心配したんだから!」


弥生の身に起きた恐ろしい出来事を単純明確に話した里美の言葉に、裕子の不信感も晴れたようだ。


その裕子の反応に千恵は驚いた。


・・・えっ、なに?それで納得しちゃったの?・・・



千恵は、自分の言葉では不信がっていた裕子が、里美の言葉で納得した事に不満を感じていた。


・・・なんで、里美の一言で納得するのよ・・・


不満の表情を見せる千恵に、裕子が再び問いかける。


「あれ?・・・千恵、どうかした・・・?」


裕子が問いかけても、不満の表情を崩さない千恵の後ろから里美がお尻をつねった。


「あ痛っ!」


突然、叫んだ千恵に裕子は驚く。


「ど、どうしたのよ千恵?」


「千恵ね、時々歯が痛むらしいの。・・・ね、千恵?」


里美は屈託の無い笑顔を千恵に向けて言った。


「そ、そうなのよ・・・甘い物食べ過ぎたかな?時々痛み出すのよ・・・」


「ふ~ん・・・そうなんだ・・・本当に?」


裕子の答えに、またもや千恵の表情は変わっていく。


・・・なんで、私の言う事には不信がるわけ!・・・


再び不満の表情をしだした千恵の足を麻美が踏んだ。



「あ痛っ!」



「あっ!千恵ごめん・・・」



そう誤り千恵に向ける麻美の視線には、裕子に不信の念を持たすなという無言の思いが込められていた。