恐怖 DUSTER

自分達から少し離れた前を歩いている麻美たちを優しい眼差しで見つめる恵子がポツリと言った。


「・・・みんなこのまま仲良しでいて欲しいな・・・」


「大丈夫よ、みんな高校も大学もエスカレーター式の中学校に入学できて、これからもずっと一緒なんだから♪」


「それも麻美のおかげだね・・・いや正確には学校の理事長をしている麻美の伯父さんのおかげかな・・・」


「それもあるだろうけど・・・でも、みんなちゃんと試験に受かって入学できたんだから・・・試験勉強に関しては恵子のおかげだね♪」


「まあね、私は長く生きてるおかげで、知識はそれなりにあったからね♪」


たしかに恵子の知識は中学レベルを遥かに超えていて、麻美の発案した全員で同じ学校に入るという願いが叶ったのは間違いなかった。


「恵子は勉強の教え方も上手だったものね」


少し得意げに胸を張りながら恵子が言った。


「これでも、教師を三回しているからね!」


「三回も!」恵子はいったいどれほどの職業を経験しているのかと弥生は驚いた!


「でも・・・裕子は合格ギリギリだったけどね・・・♪」


「えっ!そうだったの?」


新たな自分の知らなかった事実に弥生は再び驚いた!


「裕子は、みんなと違って家庭環境が大変だったのよ。・・・経済的にも私立の中学校には入学できない状態だったのよ。それでも麻美が叔父さんにいろいろ掛け合って裕子が入学できるようにしたのよ」


・・・麻美が・・・


自分の知らなかった麻美の一面を知り、我が事のように嬉しくなる弥生であった。



「私もその麻美の姿に感動して、裕子の家に何度か泊り込みで受験勉強をしたのよ」


・・・だから裕子は恵子と特に仲がいいんだ・・・



弥生は恵子と裕子の係わり合いを改めて知った。