恐怖 DUSTER

「・・・弥生、麻美のことお願いね・・・」


恵子は、あらたまった言葉で弥生に言った。


「お願い・・・て?」


「麻美は、弥生には特別な感情があるみたいだから・・・」


「特別な感情って・・・意味深なこと言わないでよ・・・」


「くす♪変な意味じゃないわよ!ただ、弥生の前では麻美は心から笑顔でいられるみたいだから・・・」


恵子にとっては、麻美が最も気がかりな存在なのかもしれない。


恵子の感情の中には、麻美は自分の子孫では無くて、お菊ちゃんの子孫という思いが強いのであろう。


弥生は、恵子の複雑な心情を知り少し悲しくなってきた。


「ねぇ、恵子?・・・本当にいなくなっちゃうの?」


恵子は、物悲しそうに言った。


「・・・もう決めたの。私という存在がいる限り麻美達は恵子を特別な目で見続けるから・・・私は、恵子にも幸せになってもらいたいのよ・・・」


自分が入れ替わった恵子の幸せをも願う気持ちに、弥生は言葉をかけることができなくなった。


「弥生そんな顔をしないでよ。・・・恵子の中からいなくなったとしても、永遠の別れというわけじゃないんだから」


「え?」


弥生の反応に笑顔で恵子は言った。


「言ったでしょ。私は、入れ替わった後もちょくちょく別れた子供達の様子を見に行っていたと。それにね、弥生の知らない誰かに入れ替わった後にも、いろんな出会いを通して弥生たちのそばにいるかもしれないんだから♪」


「そ、そうなの・・・?」


「もしかしたら、未来の弥生の子供のお嫁さんとして出会うかもしれないわよ?」


予想もしない恵子の言葉に弥生は驚いた。


「ちょ、ちょっと待ってよ!」


慌てる弥生を満足げに見ている恵子。


「例えばよ!例えばの話しね・・・♪」


しかし、恵子ならありえない話ではないと感じる弥生であった。