恐怖 DUSTER

「いいな・・・」




「弥生ちゃんは、いいな・・・」




弥生の耳元で、弱々しくささやく女の声が言う。




弥生は、恐怖を忘れるように思いつく女の名前を言い続けた。




不気味な声の主は、なおも弥生に語り続ける。




「いいな・・・」




「いいな・・・」




「弥生ちゃんは、いいな・・・」




「わたしなんか、一人も友達なんていなかった・・・」




「誰にも、心配なんてしてもらえなかった・・・」




「いつも、一人だった・・・」




「誰も、わたしを見てくれない・・・」





「誰も・・・」