「ある日、私たちの住む村が戦(いくさ)に巻き込まれてしまったのよ・・・」
「戦(いくさ)・・・?」
恵子の言葉の表現から、話の時代は遥か大昔の出来事なのだと弥生は思った。
「私達の住む国は小国で、攻めて来た大軍に対抗できなかったから、お城に立てこもったのね。そして、私も村のみんなも全員お城に入ったの」
「戦いは壮絶だったわ!何日も何日も城のあちらこちらで人の叫び声が聞こえた」
「男達は幾度と無く繰り返される戦いの中、どんどん死んでいったわ・・・」
「女や子供も、際限無く打ち込まれる火弾を避けながら、兵士達に食べ物や飲み物を運んだり、城に燃え移った火を消したりして無常の日々を過ごしていったのよ・・・」
そう悲しそうに話す恵子の顔に、美しい夕日が差しこんでいた。
「・・・綺麗・・・」
声には出さずに、弥生は心の中でそう思った。
そこにいる恵子は、自分の知る天真爛漫でいたずら好きな恵子の面影は少しも無く、遥かな時を過ごし、あらゆる思いを経験してきた大人の顔の恵子がいた。
弥生の想いのこもった視線を感じたのか、恵子は優しく微笑み話を続ける。
「何日か経った後、敵は攻めてこなくなったの」
「敵は戦い方を変えて、兵糧攻めにしてきたのよ」
「兵糧攻め?」
「兵糧攻めというのはね、城にこもる相手の食料が無くなり飢えて戦えなくなるまで時間をかけて待つ攻め方なのね」
「・・・ひどい・・・」
「そう、ひどいのよ・・・食べるものが無くなってきて、みんな痩せ細っていったわ」
「わずかな食べ物は、お殿様とかお城の偉い人達のほうに優先的に与えられて、身分の低いものや戦いに役にたたない者には、ほとんど分け与えられなくなったのよ」
「・・・恵子も・・・?」
「当然よ。私のような女で子供のような者は真っ先に食料を断たれたわ」
「それから、地獄が始まったのよ・・・」
「地獄・・・?」
「そう、地獄・・・生き地獄よ・・・」
「戦(いくさ)・・・?」
恵子の言葉の表現から、話の時代は遥か大昔の出来事なのだと弥生は思った。
「私達の住む国は小国で、攻めて来た大軍に対抗できなかったから、お城に立てこもったのね。そして、私も村のみんなも全員お城に入ったの」
「戦いは壮絶だったわ!何日も何日も城のあちらこちらで人の叫び声が聞こえた」
「男達は幾度と無く繰り返される戦いの中、どんどん死んでいったわ・・・」
「女や子供も、際限無く打ち込まれる火弾を避けながら、兵士達に食べ物や飲み物を運んだり、城に燃え移った火を消したりして無常の日々を過ごしていったのよ・・・」
そう悲しそうに話す恵子の顔に、美しい夕日が差しこんでいた。
「・・・綺麗・・・」
声には出さずに、弥生は心の中でそう思った。
そこにいる恵子は、自分の知る天真爛漫でいたずら好きな恵子の面影は少しも無く、遥かな時を過ごし、あらゆる思いを経験してきた大人の顔の恵子がいた。
弥生の想いのこもった視線を感じたのか、恵子は優しく微笑み話を続ける。
「何日か経った後、敵は攻めてこなくなったの」
「敵は戦い方を変えて、兵糧攻めにしてきたのよ」
「兵糧攻め?」
「兵糧攻めというのはね、城にこもる相手の食料が無くなり飢えて戦えなくなるまで時間をかけて待つ攻め方なのね」
「・・・ひどい・・・」
「そう、ひどいのよ・・・食べるものが無くなってきて、みんな痩せ細っていったわ」
「わずかな食べ物は、お殿様とかお城の偉い人達のほうに優先的に与えられて、身分の低いものや戦いに役にたたない者には、ほとんど分け与えられなくなったのよ」
「・・・恵子も・・・?」
「当然よ。私のような女で子供のような者は真っ先に食料を断たれたわ」
「それから、地獄が始まったのよ・・・」
「地獄・・・?」
「そう、地獄・・・生き地獄よ・・・」


