恐怖 DUSTER

そんな弥生の動揺を読み取ったのか、恵子は慌てて弁明する。


「あっ!成り代わるて言ってもね、無理矢理入れ替わったりとかしてる訳じゃないからね」


無理矢理という恵子の言葉に、自分がおこなった行為を思い出し良心が痛む弥生。


「私が入れ替わる場合はね、相手の心が完全に壊れている状態の時だけなのよ」


恵子は、弁明に神経が行き弥生の小さな心の痛みには気づく事ができなかった。



「相手の心が完全に壊れている状態ってどういうこと?」


「それはね、弥生たちが遭遇した事故のような不幸に見舞われてしまった人が、みんなのように心を封印する事もできずに、ただ眠り続けている状態のことよ」


「弥生たちの場合は、肉体の損傷はほとんど無かったでしょう?」


「うん・・・」


「私が入れ替わってきた人たちは、肉体を・・・脳を損傷してしまった人ばかりなの」


「恵子は、私達のように相手の心を恐怖で壊したんじゃないんだ!」



ここでも麻美が言っていた恵子は、私達とは違うということを実感する弥生。



「私の場合は、相手の心が完全に壊れていないと入れ替わる事はできないみたいなの」


「・・・完全に壊れていると、恵子はどうやって知ることができるの?」


「その人に触れるのよ。理由は解らないけど私は人に触れると相手の心を感じる事ができるのよ」


「だからね・・・こんな事言うと弥生に嫌われるかもしれないけど、私は大きな事故とかが起きたらその被害者の人たちの事を調べて周り触れていくのよ・・・」



「・・・完全に心が壊れている人を見つけるためにてこと・・・?」



弥生は恵子に対して少し不快感を覚えた。