「りぃ、顎少しだけあげて」

由宇の真剣な眼差し。シュッ、シュッと鉛筆の走る音が私に緊張感を与える。
最初は恥ずかしい気持ちが大きかったけど由宇の気持ちに応えたくて背筋を伸ばし、姿勢を保つ。

「りぃ、すごく綺麗よ…、そのまま」

胸にかかっている髪がくすぐったい。背中を汗が伝っていくのが解った。
実は今朝

『モデル!?』
「うん。今度描く絵のイメージにぴったりなの。お願い!デッサンさせて」

由宇にはいつもお世話になってるし(由宇は好きでやってるんだって言ってるけどね)
何より大切な由宇のお願いなんだもん。

『うん、いいよ』
「ありがとう!じゃ早速脱いでね」

スケッチブックと鉛筆を数本準備しながらてきぱきと部屋を片付ける由宇。
……え?
確かに今脱いでってゆったよねぇ…?

「後ろ向いてるから上だけ脱いで」
『あの…由宇脱いでって…』
「大丈夫、胸は描かないから。りぃの長い髪で隠してもらうよ」