恋・したい

『そうよ。恋した事今までなかったから経験した事のない感情が色々でてきて自分でも驚いてるわ』
「先生初恋なの!?…じゃあ二人の事応援するね」
『応援って?私は柚季と一緒にはなれないのに』
「勝手に決めちゃダメだよ?恋愛は二人でするものなんだから♪」

可愛く微笑む柚葉ちゃんが頼もしく見えた。恋愛か…

「疑ってごめんなさい。あといきなり来ちゃってびっくりさせてしまって。それからドアは確認してから開けた方がいいですよ」
『帰り気を付けてね』
「あ」

ブーツを履きノブに手をかけて何かに気付いた様に振り向き

「ゆずちの初恋の相手が先生でよかった」

私にそう告げ、笑って部屋をあとにした。柚季と同じ匂いが微かに鼻腔へと侵入してくる。

…え?
柚季、も?
恋した事なかったの?
真っ直ぐ歩けない。もたつく足でソファにたどり着きクッションにダイブしてそのままうつ伏せに。
嬉しい気持ちは圧し殺さなきゃね。はっきりしないと、でも、だめ。
柚季の事知りたい
傍に居たい
触れ合っていたい…

これが、恋なの?
きっとそうなんだわ
だって
柚季じゃなくちゃ嫌なんだもの。
他の男性(ひと)なんか要らない。柚季しか見えない。

諦めるのは嫌だけど方法がこれしか思いつかないの。
―もう柚季とは会わない―